2021/09/25 14:49

男の子が 一人で 三輪車 漕いでいる。不安そうな 横顔 あれは 幼い頃の 私だ。右手には 神社の階段 。道は舗装してあるが 狭い。左手は海があるはずなのだが 波音は 聞こえず そのかわり 海の匂い 蠣殻の 匂いが 漂っている。もう一人の私はなぜか 2、3メートルの高さから俯瞰して 幼ない 私を 追っている。
突然、河口 に出た。視点は 幼い私自身にとって代わっている。ここは 幼い私の テリトリーの 限界線 。母に あそこから 先は 行っちゃダメと 言われてる所。ここは 始めて来たのか。不安そうな のはそのせいなのか。夕暮れの のっぺり して ほとんど流れない川 、そのずーと向こうは 薄雲った 朱色の夕日が入視界全てをおおっている。例外は 濃い灰色のクレーン、三つの 三角形がくっきり 朱を切り取っている。その周りは ぼーとして 曖昧だ。記憶が曖昧なのかそれとも ほんとうに 霞んでたのか。あそこには 見える方向によって 数が違う 7本の 幽霊煙突とよばれてた のが あったはずなのに。
どれくらい そこに居たんだろう。そっから先は 記憶はない。
ただ 夕日の中 どうしようもない 悲しみに 包まれてた 感覚は 今でも 感じる。
そういえば父が 生きるか死ぬかの 手術 してた頃。暗い母の横顔。

これが 窯から出た時は おー チョット華やかな 赤 出たじゃん と 浮いていたのに 何故だか
何故だか こんな記憶に 持って行かれて しまった。